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【2025年最新】AI vs RPA 事務作業の自動化に向いているのは?徹底比較

Kentaro Takahashi

セールスフォースドットコムにてSaaSエバンジェリスト、後に大手クラウドERPベンダーにてエバンジェリストを務める。中小企業向けDX、助成金、属人化解消等のテーマでセミナー登壇実績多数。

AIvsRPA事務作業自動化向いているのは?タイトル

これまで事務作業の自動化といえばRPA(ロボットによる定型作業の自動化)が主流でしたが、最近では生成AIやAIエージェントといった新しい技術が急速に進化。

選択肢が増える一方で、「自社にはどれが合うのか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、2025年時点で注目される“事務自動化の三大手段” ― RPA・生成AI・AIエージェント ― を徹底比較。

それぞれの強み・向いている業務・選ぶべきタイミングを整理し、「目的から逆算して技術を選ぶ」ための判断軸をお届けします。

ツール選びに悩んでいる方こそ、ぜひご一読ください。

 

はじめにおさらい|「RPA」「生成AI」「AIエージェント」とは?

事務作業の自動化を検討する際、まず押さえておきたいのが各技術の特徴と向き不向きです。ここでは、主要な3つの手段について基本的な特徴を整理しておきましょう。

項目 RPA 生成AI AIエージェント
役割 人の定型操作を再現する テキスト生成や要約などを行う 人の判断・対応を代行する
主な対象業務 データ転記、ボタン操作、帳票出力など メール文作成、議事録要約、FAQ対応など 予約対応、日程調整、Slackでの社内応対など
操作形式 ルールを登録して自動操作 プロンプト入力(例:ChatGPT) 外部連携込みで自律的に稼働
向き不向き 単純・繰り返し作業に強いが柔軟性に欠ける 柔軟性があるがビジネスロジックは不得意 柔軟+実務的。設計次第で高い自動化が可能

まずは、各技術の特徴について整理しました。

AIエージェントと生成AIの違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
AIエージェント vs ChatGPT アイコン
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それぞれの特徴がわかったところで、ここからは具体的に「どんな業務に向いているのか?」を見ていきましょう。

 

1. RPA|「ルールが明確な作業」はこれ一択

事務作業自動化 RPA
最初に紹介するのは、自動化の“王道”ともいえるRPA。ルール通りに動かす作業には、今も変わらず強い味方です。

強み

  • Excel入力→システム転記など、ルール化された事務処理に最適
  • プログラミング不要で導入しやすい(例:UiPath)

弱み

  • イレギュラー対応が苦手、画面構成の変更に弱い
  • ツール費・保守コストがかかる

向いているケース

  • 経理の定型伝票入力
  • ECの受注データ取り込み
  • 毎月のレポート出力や転記

RPAは、特に“動きが決まっている”業務において、もっとも導入効果が高い選択肢です。

 

2. 生成AI|「考える・書く」業務を一気に効率化

事務作業自動化 生成AI

次に紹介するのは、ここ数年で一気に存在感を増した生成AI。ChatGPTなどの登場で、言語系業務が驚くほど効率化されています。

強み

  • 文書の生成、要約、改善など「言語処理」が得意
  • ChatGPTやClaudeなど、すぐ試せるサービスが豊富

弱み

  • 回答にムラがある(幻覚)
  • セキュリティ配慮が必要(業務利用には注意)

向いているケース

  • 営業メール・お礼メールの作成
  • 会議録の要約、報告書のたたき台作成
  • FAQのドラフト生成

「人が書く・考える」作業に負担を感じているなら、まずは生成AIを試してみる価値があります。

 

3. AIエージェント|「人の判断を代行」できる次世代型

事務作業自動化 AIエージェント
そして今、最も注目されているのがAIエージェント。単なるツールではなく、業務フローそのものを動かせる存在です。

強み

  • 外部システムと連携して自律的に行動
  • 柔軟な対応と業務フロー全体の効率化を両立

弱み

  • 設計や初期構築に知識やコストが必要
  • 運用中の改善・学習にコストが必要

向いているケース

  • 予約フォームの入力案内や日程調整
  • Slackでの自動応答・社内エスカレーション
  • 問い合わせの初期対応やスクリーニング

業務全体の再構築や効率化を目指すなら、AIエージェントは非常に強力な選択肢となります。

AIエージェントの活用事例や具体的なサービスについては以下の記事をご覧ください。
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4. 比較まとめ|結局、どれが自社に合うの?

ここまでの内容をもとに、自社の状況に合わせた選び方を整理しましょう。

ケース おすすめ 理由
手順が固定された事務作業 RPA 操作の再現が得意で、コスパ◎
テキストベースの業務改善 生成AI 柔軟に“考えてくれる”ので汎用性◎
一連の業務を自動で任せたい AIエージェント 他ツールとの連携で業務そのものを代行可能

 

5. 導入時のポイント|“目的から逆算”して選ぶ

どの技術を使うべきか悩んだら、「自社が何を自動化したいのか?」から逆算して考えることが重要です。

判断に使える3つの視点

  • 作業の種類:単純作業か?創造的業務か?判断を伴うか?
  • 作業の範囲:一部工程だけか?業務全体か?
  • 柔軟性の必要度:どれくらいイレギュラーに対応する必要があるか?

この3軸を基にすれば、「なんとなく便利そう」でツールを選ぶリスクを防げます。

判断パターン①|とにかく転記や操作が多い会社

  • Excelからシステムへの転記
  • 帳票出力や定期的なチェック作業
  • 入力内容がルール化されている

この場合はRPAが最適。最小コストで効果が出やすく、初期導入にも向いています。

判断パターン②|問い合わせ対応や日程調整が多い会社

  • お客様とのやり取りが多い
  • 日程調整や案内が頻繁に発生
  • Slackや予約フォームなどツールも混在

この場合はAIエージェントが有効。システム連携も含めて人の判断業務を代替できます。

 

まとめ|技術に振り回されず「目的起点」で選ぼう

事務作業の自動化には、RPA・生成AI・AIエージェントという強力な選択肢が揃っています。

大切なのは、どの技術が一番新しいかではなく、
「自社の業務において、どの場面で・何を任せたいか」を明確にすることです。

  • ルールが決まった作業:まずはRPAで着実に省力化
  • 文章作成や考える作業:生成AIを取り入れて業務スピードを加速
  • 判断や対応が必要な業務:AIエージェントで一歩先の自動化へ

技術を使うことが目的ではなく、
「人がやらなくてもよいことを、どこまで手放せるか」こそが自動化の本質です。

まずは小さく始めて、段階的に“深い自動化”へと進めていきましょう。

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