AIエージェント

AIエージェント導入を支援する企業4選|専門サービスの特徴を比較

Kentaro Takahashi

セールスフォースドットコムにてSaaSエバンジェリスト、後に大手クラウドERPベンダーにてエバンジェリストを務める。中小企業向けDX、助成金、属人化解消等のテーマでセミナー登壇実績多数。

2025年になり、急速に注目の集まるAIエージェント。
自社での試験導入を考えている方も多いのではないでしょうか?そこで今回はDX・IT業界でエバンジェリストとして活動する筆者が以下の内容についてお伝えします。

この記事でわかること
  • AIエージェントとは何か?
  • 導入検討の際に抑えるべきポイント
  • AIエージェント導入支援企業4選

 

AIエージェントとは何か?

まずは、AIエージェントとはそもそも何か?ChatGPTなどのAIと何が違うのか見ていきましょう。

ChatGPTをはじめとする生成AIは人間の指示で動作し、入力に対するアウトプットを人間に戻します。(情報の生成に留まり実行は行わない)

従来の生成AIの特徴

一方でAIエージェントは人間が与えた目的に対して、自律的に必要な情報を取得・意思決定し、実際の実行まで行います。

AIエージェントの特徴と動作

このように、ChatGPTを始めとする汎用AI(生成AIとも言われる)が質問に答えたり会話をしたりする用途である一方、AIエージェントは実際の仕事を進める「実行型のAI」である点が大きな差分です。
AIエージェントの詳細な定義や特徴は解説は以下の記事で解説しています。
AIエージェント導入ガイド
AIエージェント導入ガイド:ツール選定ポイントから費用まで徹底解説

AIエージェントの導入を検討しているけれど、「どこから始めればいいのか」「自社に合ったツールは何か」迷っていませんか? そこで本記事ではDX・IT業界でエバンジェリストとして活動する筆者が以下の内容に ...

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AIエージェントの現在地

ここまで読んでいただいた皆様は、「AIエージェントが勝手に実行するって大丈夫なの!?」と思われた方は多いのではないでしょうか。

そこで以下の図をご覧ください。これは私が付けた区分なのですが、おそらく2025年からAIエージェントは以下の表の「AIエージェント1.0」でスタートし、徐々に「AIエージェント2.0」に移行していくと考えています。

段階 特徴 営業活動での例
汎用AI 汎用的な質問応答や情報提供を行うAI。タスクをこなすには人間の介入が必要。 ターゲットリストの作成方法を教える、営業メールのテンプレートを提案する。
AIエージェント1.0 特定のタスクを自動化。タスクを進める途中で人間の確認が必要。結果を下書きやドラフトとして提供。 - ターゲットリストを自動抽出
- その後CRMや過去資料を参照し資料を自動作成
- その後個別化した営業メールを作成し、送信準備まで完了
(送信は人間がボタンを押す)
AIエージェント2.0 完全に自立してタスクを実行。人間の介入なしにプロセスを進行し、適応的な対応が可能。 - ターゲットリストを作成し、営業メールを送信
- 返信内容を解析し、自動で次のアクションを実行
- アポイントメント設定やフォローアップを完全自動化
これまで人間が行なっていた業務の一部をAIエージェントが代替し、特定のタイミングで判断や実行を人間が介在。AIエージェント活用が進むほど人間の介在箇所が減っていくと考えています。(AIエージェント1.0から2.0へシフト)

AIエージェント導入の4つのポイント

ここからは、AIエージェント導入の際のポイントを4つ見ていきたいと思います。

1.自動化するタスクの優先度を決める

AIエージェントというと何でもできて汎用的なイメージがありますが、AIエージェントも万能ではありません。自動化する一連のタスクの中で、特に成果が期待できる部分(繰り返し業務、高負荷業務など)を洗い出し、それらの一連の流れを集中的にAIエージェントに置き換えることで高い成果を期待することが可能になります。

まずは現状の業務のどのプロセスが高負荷になっているのか、組織として多くの時間を費やしているのかを整理することが最も重要です。

2.人間との連携を設定する

AIエージェントの導入の際は、「どの地点に人間の判断を挟むのか」を設計することはAIエージェントのプロジェクトにおいて非常に重要になります。

例えば先ほどの例で言うと営業メールの最終送信は人間が承認することで、対顧客に対する信頼毀損リスクを低減させています。

3.データアクセスとリスク管理

AIエージェントによるインシデントを避けるために、データアクセスとリスクの適切な管理が必要です。

データアクセスとリスク管理の例
  • AIエージェントがアクセスできる顧客リストを必要最低限の情報にする
  • 個人情報が含まれるメールではデータの匿名化やトークン化を行う
  • 意図しない動作をした場合にアラートを上げる設定をする

 

4.エージェントの継続的な改善

最後にAIエージェント導入プロジェクトの大きな特徴が、継続的なチューニングが発生する点です。先ほどの営業プロセスの例だと、どのようなターゲットリストに対してのどのようなアウトプットの反響率が高かったのかを学習させることでより的確な回答を生成することが可能になります。

AIエージェントの構築は1回きりで終了するのではなく、継続的な改善が必要になる点は構築サービスを選ぶ際にも重要な観点となりますので押さえておきましょう。
AIエージェント導入に向けた詳細な解説は以下の記事をご覧ください。
AIエージェント導入ガイド
AIエージェント導入ガイド:ツール選定ポイントから費用まで徹底解説

AIエージェントの導入を検討しているけれど、「どこから始めればいいのか」「自社に合ったツールは何か」迷っていませんか? そこで本記事ではDX・IT業界でエバンジェリストとして活動する筆者が以下の内容に ...

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AIエージェント導入支援サービス4選

ここまでAIエージェント導入の際のポイントについて見てきました。
さて、ここからいよいよAIエージェント導入サービスについて見ていきましょう。

2024年10月から12月にかけて続々とAIエージェントの導入支援サービスが発表されています。本記事では各社のプレスリリース情報を元に各サービスの特徴について簡潔にまとめました。

 

株式会社ヘッドウォータース

株式会社ヘッドウォータース プレスリリース
引用:株式会社ヘッドウォータース プレスリリース

株式会社ヘッドウォータースは2005年に設立され、生成AIやAIエージェントが話題になるよりも遥かに早くからAIシフトに取り組んできた企業です。

2020年には東証マザーズ市場へ上場し、AI自社サービスの展開はもちろんのこと大手証券やJR西日本など大手企業への豊富な支援実績を誇ります。

株式会社ヘッドウォータースの導入支援の特徴

  • AIエージェント導入前の導入箇所の特定から支援
  • 導入前に独自開発した診断ツールで業務プロセスや負荷を数値化、AIエージェント導入後の測定を明確化
  • 大手証券、JR西日本へなど豊富な大手企業へのAI関連の支援実績
  • 導入後の運用まで含めた一気通貫の支援を実施

 

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ ニュース
引用:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 ニュース

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社は伊藤忠商事グループのデジタル化事業の中核企業です。これまで大手企業を中心にデジタル化支援の豊富な実績を誇り、AI関連の支援や提携のリリースも豊富です。

2023年5月に生成AIアドバイザリーサービスを開始、続く2024年10月にAIエージェント導入支援サービスを発表しています。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の導入支援の特徴

  • 複数モデルの利用、社内システムとの連携、オンプレミス環境対応などエンタープライズ向けの全方位型支援
  • 大手企業始めとした豊富な生成AIの業務支援実績
  • 導入後の回答精度の評価やチューニングまで伴走型の支援

 

株式会社キャスター

株式会社キャスター プレスリリース
引用:株式会社キャスター プレスリリース

株式会社キャスターはオンライン秘書サービス「CASTER BIZ assistant」などを提供する企業です。「CASTER BIZ assistant」は人手不足時代において、リモートワークを活用した各地の優秀人材に幅広い業務を依頼できる点が特徴です。

更なる人手不足時代の到来に向けた生産性向上支援として、2024年11月にAIエージェント導入支援サービスを発表しています。

株式会社キャスターの導入支援の特徴

  • 生成AIプラットフォーム「Dify」を活用することでコスト抑制・スピードを迅速化
  • グループ会社の生成AIを活用したプロダクト開発・サービス運用の技術を活用
  • リモートアシスタントが構築後の運用サポートまで一気通貫で対応

 

代わりにAI担当

AIエージェント導入支援|代わりにAI担当 タイトルバナー
引用:代わりにAI担当

本メディア運営元の経営デジタルも成果報酬型のAIエージェント導入支援サービス「代わりにAI担当」をサービス提供しています。

AIエージェントの検討や活用を進めたいが、社内のメンバーでは難しい・採用が難しい。このようなシーンにおいて、貴社専属のAI推進担当としてAIエージェントの導入に向けた推進を行います。

代わりにAI担当の導入支援の特徴

  • 担当者不要。社内のAIエージェント推進担当を丸ごとお任せ可能
  • 導入前の社内の状況の整理から、実際の導入、導入後の改善まで一気通貫で支援
  • 費用は成果報酬型。成果に応じた安心の明瞭会計。

 

まとめ:AIエージェント導入支援サービス

いかがでしたでしょうか。まだまだ活用が始まったばかりのAIエージェントですが、実際の業務の「実行」まで遂行するAIエージェントを活用することで大きな生産性の向上が期待できます。

まずは人間の小さな範囲で人間の判断を多めに挟みながら(制御強めで)導入し、徐々に全社に広げていくアプローチが好ましいでしょう。
その上でも、まずはAIエージェント導入支援サービスの無料診断などを活用してみるのはいかがでしょうか?

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