AIエージェント

【比較表あり】AIエージェントとRPAの違いは?活用シーン・向き不向き・使い分けまで徹底解説

Kentaro Takahashi

セールスフォースドットコムにてSaaSエバンジェリスト、後に大手クラウドERPベンダーにてエバンジェリストを務める。中小企業向けDX、助成金、属人化解消等のテーマでセミナー登壇実績多数。

AIエージェントとRPAの違い タイトル

2025年になって注目の集まる「AIエージェント」
「AIエージェントはRPAとは何が違うのか?」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、DXやIT業界でエバンジェリストとして活動する筆者が、AIエージェントとRPAの違いを比較表や具体例で徹底解説します。

 

AIエージェントとは

AIエージェントの特徴と動作

両者の違いを理解する上で、まずはAIエージェントの特徴から見ていきましょう。

AIエージェントとは、人の判断や対応を代行できる自律的なソフトウェアのことです。
従来の自動化ツールと違い、実行はあくまで機能の一部であり、「知識・判断・実行」を一体化して業務を担える点が大きな特徴です。

例えば、ユーザーからの予約依頼に応じて日程を調整したり、社内チャットツール上で問い合わせに答えたりといった「対話的で柔軟な対応」が可能です。

AIエージェントの詳細については以下の記事でまとめています。
AIエージェントとは アイキャッチ
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RPAとは

RPAの特徴
一方でRPA(Robotic Process Automation)とは、あらかじめ決められた手順を正確に繰り返すことに特化した自動化ツールです。
人が行う定型業務をソフトウェアに登録し、その順序や条件に従って実行するのが特徴です。

AIエージェントのように状況に応じた判断はできませんが、単純作業を高速かつ正確に処理する点で優れています。

RPAで自動化する業務として、例えば以下のような業務が典型的です。

予約システムの転記作業の自動化
  • STEP1:予約システムへログイン
  • STEP2:必要なデータを自動取得
  • STEP3:スプレッドシートの所定の位置に所定のルールで転記

 

STEP1:システムに自動ログイン

RPAの例①自動ログイン

 

STEP2:顧客情報を自動取得

RPAの例②データ自動取得

 

STEP3:取得した情報をシートに転記

RPAの例③シートへ転記

このように、RPAは定型業務をあらかじめ決められた時間やトリガーに従って実行することが得意な自動化ツールです。

 

AIエージェントとRPAの違いとは?

AIエージェントとRPAの違い

ここまででAIエージェントとRPAの特徴をそれぞれ見てきました。
あらためて整理すると、AIエージェントは「柔軟に判断して動ける」のに対し、RPAは「決められた手順を正確に繰り返す」ことが得意です。

ただし、どちらも「実行機能」を持っているため、共通して“自動で仕事をこなすツール”に見えやすく、混同されやすいのが実情です。
そこで以下の比較表では、それぞれの特徴と強みを一目でわかる形に整理しました。

 

【比較表】AIエージェントとRPAの違い

ここまで紹介したAIエージェントとRPAの特徴を、一覧で整理しました。
比較表を見ることで「どんな業務にはどちらを使うべきか」が一目で理解できます。

項目 AIエージェント RPA
役割 人の判断・対応を代行する 人の定型操作を再現する
主な対象業務 顧客対応、日程調整、Slackでの社内応対など データ転記、ボタン定型操作、帳票出力など
操作形式 外部連携込みで自律的に稼働 ルールを登録して自動操作
向き不向き 柔軟+実務的。設計次第で高い自動化が可能 単純・繰り返し作業に強いが柔軟性に欠ける

 

AIエージェント一択で良いのでは?

AIエージェントとRPAの違い

ここまで比較すると「柔軟に判断できて実行もできるなら、AIエージェントがRPAの上位互換なのでは?」と思う方も多いかもしれません。

確かにAIエージェントは知識・判断・実行を一体化できるため、RPAではできない高度な業務自動化を実現できます。
しかし、だからといってすべてをAIエージェントに任せればよいわけではありません。

例えば、先ほど紹介したような「決まったルールでデータを転記する」業務にAIエージェントを動かすとどうなるでしょうか。

単純な転記作業をAIエージェントで行う場合
  • 単純作業で毎回考える必要がないのに、AIエンジンを動かす費用が無駄にかかる
  • AIエージェントは柔軟に動くが、毎回の処理にムラが起きやすい
  • 思考する分だけスピードが落ち、シンプルな処理なのに時間がかかる

 

デメリットが非常に大きいのです。

このように、AIエージェントとRPAは「どちらか一方で十分」という関係ではなく、シーンに応じて使い分けることが重要です。

次の章では、具体的にどのようなケースでどちらを選ぶべきなのか、実際の利用シーンとともに整理していきましょう。

 

【比較表】AIエージェントとRPAの使い分けの判断基準

AIエージェント 商品開発

ここまで見てきたように、AIエージェントとRPAは「どちらか一方で十分」という関係ではなく、業務の性質に応じて最適な使い分けが必要です。

だからこそ、自社の業務を見直し「どのプロセスはAIエージェントに任せるべきか」「どのプロセスはRPAで処理すべきか」を整理することが重要になります。

以下では、代表的なケースごとにAIエージェントとRPAの適性を比較しました。ぜひ自社の状況に当てはめながらご覧ください。

ケース AIエージェント RPA
顧客対応や日程調整など
柔軟な判断・調整が必要な業務
おすすめ
状況に応じて判断や対話ができ、外部ツールとも連携可能。人の代わりに「考えて応対」できる。
不向き
ルール外の判断や例外対応には対応できない。
データ転記や帳票出力など
ルールが固定された定型作業
不向き
考える必要がない処理でもAIを動かす分、コスト高・処理速度低下につながる。
おすすめ
決められた手順を正確に繰り返すのが得意。高速かつ低コストで処理できる。
受付から判断・処理まで
業務プロセスを丸ごと任せたい
おすすめ
「受付→判断→実行」という一連の流れを自律的にこなせる。複合的な業務の代行に最適。
不向き
判断や状況に応じた外部連携を伴う複合業務には対応できない。
毎日決まった時間に同じ処理を実行する 不向き
シンプルな定期処理にAIを使うと無駄が多い。
おすすめ
時間やトリガーに従って淡々と繰り返す処理はRPAの得意分野。安定して稼働できる。

ここまででAIエージェントとRPAの違いを整理してきました。
では実際の現場では、どんな業務にどちらを当てはめるのが効果的なのでしょうか。
具体的なパターンを見てみましょう。

 

具体例①|とにかく転記や単純作業が多い会社

デスクワークや業務進行のイメージ画像

  • Excelからシステムへの転記
  • 帳票出力や定期的なチェック作業
  • 入力内容がルール化されている

 
この場合はRPAが最適。最小コストで効果が出やすく、初期導入にも向いています。

 

具体例②|問い合わせ対応や日程調整が多い会社

オペレーターのイメージ画像

  • お客様とのやり取りが多い
  • 日程調整や案内が頻繁に発生
  • Slackや予約フォームなどツールも混在

 
この場合はAIエージェントが有効。システム連携も含めて人の判断業務を代替できます。

 

AIエージェントの導入検討に向けて

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まとめ|AIエージェントとRPAの違いは?

AIエージェントとRPAはいずれも強力な自動化手段ですが、目的や業務内容によって適材適所で選ぶことが重要です。
RPAは「決まった手順を正確に繰り返す」点で優れており、AIエージェントは「判断や対話を含む業務を自律的に遂行する」点で力を発揮します。

つまり、両者は競合する技術ではなく、役割を分担しながら共存する存在です。

  • ルール化された繰り返し業務:RPAで効率的に処理
  • 文章や企画など思考が伴う業務:生成AIでスピードアップ
  • 顧客対応や判断が必要な業務:AIエージェントで“人の代わり”に遂行

 

大切なのは、技術の新しさに振り回されることではありません。
「自社の業務の中で、人がやらなくてもよい作業をどこまで任せられるか」
この視点を持つことで、最適なツール選定と導入計画が描けます。

まずは効果が出やすい領域から小さく導入し、成果を見ながら段階的に拡大していくことが、
「部分的な効率化」から「戦略的な自動化」へ進化するための近道です。

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