2025年になって注目の集まる「AIエージェント」
「具体的にどんなサービスがおすすめなのか?」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DXやIT業界でエバンジェリストとして活動する筆者が、業務用AIエージェント構築・運用プラットフォームの中でも特におすすめのサービス6選を厳選してご紹介します。それぞれ以下のポイントを重視して選定しました。
- ノーコード / ローコード環境で早期に実装可能
- 豊富なテンプレートで業務に特化したAIエージェントを短期間で作成
- 豊富なデータ連携先で業務プロセス全体の効率化が可能
そして今回紹介する具体的な業務用AIエージェント構築・運用プラットフォームは以下です。

具体的なサービス紹介の前に、まずはAIエージェントの特徴について簡単に見ていきましょう。
AIエージェントとは
AIエージェントとは、目的遂行に向けて自律的に一連の業務を実行する人工知能のことです。生成AIが人間の指示に応じて成果物までに留まるのに対して、AIエージェントは自律的に状況を判断し、実行まで行います。

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そんなAIエージェントですが、実際に業務に組み込むためにはどのようなプラットフォームで構築することができるのでしょうか?
ここからは具体的な4つのAIエージェントプラットフォームのサービスを紹介します。
Agentforce(Salesforce)
まず初めに紹介するのは、ソフトウェア大手セールスフォースドットコムが提供するAgentforceです。2024年の9月に発表され、AIエージェントの構築・運用まで一貫して同プラットフォーム上で実現可能です。
Agentforceが向いている業務
AgentforceはSalesforce基盤上で動作するAIエージェントであり、Salesforceがカバーしている以下のような業務領域を強力に支援します。
- 営業①:例.アポイントの設定や顧客対応を自律的に実施
- 営業②:例.バーチャルコーチがトレーニングを提供
- カスタマーサポート:例.24時間対応のコールセンター業務
Agentforceの特徴
構築済みモデルを含む営業、カスタマーサービスなどの各業務に最適化されたAIをすぐに使い始めることができます。
- 迅速に展開可能な構築済みAIエージェント
- Salesforce上のアプリ・データとの完全な接続
- 明確なガードレール設定による安全なエージェント運用
Agentforceが向いているケース
以下のようなケースではAgentforceがおすすめです。
- 上述のSalesforceが展開する領域の業務
- エンタープライズ向けの高度な制御が必要なプロジェクト
- 業務特化のエージェントを迅速に投入したい場合
Agentforceプラットフォームの設定画面

Google Agentspace
次に紹介するのは、こちらもソフトウェア大手Googleが発表したGoogle Agentspaceです。
2024年12月に発表され、米国ではすでに利用可能・日本では順次提供予定です。こちらのツールもプラットフォーム上でAIエージェントの構築・運用まで一貫して同プラットフォーム上で実現可能であると発表されています。
こちらのページからウェイティングリストに申し込みが可能です。
Google Agentspaceが向いている業務
Google Agentspaceは、Googleがこれまで培ってきた検索や動画、画像領域などに強みを持つとされています。
- 汎用業務:情報を要約し、対話型UIで提供。要約内容を文字・音声データで作成
- 汎用業務:複数ソースを跨いだ情報の検索、それを元にしたアクション(例.メール生成)
- マーケティング:質の高い文章、画像、動画のコンテンツを自動作成
Google Agentspaceの特徴
構築済みモデルを含む営業、カスタマーサービスなどの各業務に最適化されたAIをすぐに使い始めることができます。
- 検索・翻訳・動画などGoogleの得意領域を活かしたAIエージェント
- Googleドライブをはじめとした複数のデータソースへ簡単に接続
- 財務、経理など特化型エージェントをローコードで構築、運用(近日公開予定)
Google Agentspaceが向いているケース
以下のようなケースではGoogle Agentspaceがおすすめです。
- 上述のGoogleが強みを持つ領域の業務
- 自社独自の知識をエージェントに活用したい場合
- テンプレートから専門家エージェントを構築したい場合
Dify
引用:Dify 公式サイト
次に紹介するのは、ノーコード・ローコードでAIエージェントの構築を行うことができるDifyです。
直感的な操作と豊富な標準ツールで迅速に業務に使えるAIエージェントを構築できます。
DifyのAIエージェント設定画面
引用:Dify 操作画面

Difyが向いている業務
Difyは、Zapier等の外部ツールと連携しながら一連の業務フローの中にAIエージェントを組み込むことに向いています。
- WEB接客:例.WEBサイト上で製品について回答、アポの調整とカレンダー作成まで実施
- 営業:例.議事録からサマリーを作成し、整形してNotionへ整理(Zapierも利用)
- 汎用業務:例.社内からの問い合わせにSlackで回答、不明点をエスカレーションと学習
Difyの特徴
幅広いAIエンジンから最適なエンジンを選択し、ノーコードで迅速にワークフロー全体を効率化します。
- ノーコード/ローコードで迅速にAIエージェントを開発
- 幅広いAIエンジンを選択して用途ごとに利用可能
- Difyワークフロー機能やZapier連携で業務全体を幅広く効率化
Difyが向いているケース
以下のようなケースではDifyがおすすめです。
- 複数のデータソースやツールを跨ぐワークフロー全体を効率化したい
- 業務の用途ごとに最適なAIエンジンを活用したい
- 短期間・ローコストでAIエージェントを構築したい
Botpress
次に紹介するのは、こちらもノーコード・ローコードで業務用AIエージェントの構築を行うことができるbotpressです。
先ほどのdify同様に、業務用の即戦力AIエージェントを迅速に構築できます。
botpressのAIエージェント設定画面

botpressが向いている業務
botpressは、Salesforce、hubspot、Jiraなどと標準連携が可能で、業務用AIエージェントを構築するのに強みを持ちます。
- マーケティング:例.LINE上で自律的に動作するAIエージェントを展開
- 営業:例.WEB接客を行い見込み顧客情報をSalesforceへ記録
- カスタマーサポート:例.顧客からの質問に回答、サブスクリプション更新を管理
botpressの特徴
botpressは業務用アプリとの連携、作成したAIエージェントの幅広いチャネルへの展開に強みを持ちます。
- ノーコード/ローコードで迅速にAIエージェントを開発
- Salesforce、hubspot、Jira等のビジネスアプリとの標準連携
- AIエージェントをLINE、Instagram、Teamsなどのチャネルに展開
botpressが向いているケース
以下のようなケースではbotpressがおすすめです。
- ノーコード/ローコードで業務用AIエージェントを開発したい
- Salesforceを始めとする業務用アプリとの連携を行いたい
- 作ったAIエージェントをLINEやInstagramなど幅広いチャネルで使いたい
coze
引用:coze 公式サイト
次に紹介するのは、こちらもノーコード・ローコードでAIエージェントの構築を行うことができるcozeです。
直感的な操作と豊富なAIエンジン・事前設定済みツールで迅速にAIエージェントを展開できます。
基本的な概念や設定方法は上述のDifyと類似していますが、利用できる拡張ツールや料金プランが異なります。

cozeが向いている業務
cozeは、豊富なツールを活用してAIエージェントを迅速に構築することが可能です。特に、ソーシャルメディア等の連携が豊富です。
- マーケティング:例.YouTube・X(旧Twitter)横断で人気投稿を調査・分析
- マーケティング:例.上記調査から文字、動画のコンテンツを作成
- 汎用業務:例.社内からの問い合わせに、文字・画像知識をもとに回答
cozeの特徴
幅広いAIエンジンと豊富なツールを活用して、AIエージェントをノーコードで構築します。また、difyと比較した際に、柔軟な(より利用度合いに応じた細く段階的な)料金プランで利用することが可能です。
- ノーコード/ローコードで迅速にAIエージェントを開発
- 豊富なツール群の活用でエージェントの機能を迅速に拡張
- 利用量に応じた柔軟な料金プランを展開
cozeが向いているケース
以下のようなケースではcozeがおすすめです。
- 複数のデータソースやツールを跨ぐワークフロー全体を効率化したい
- difyにはないツール(例.X連携)を利用してAIエージェントの機能を拡張したい
- 短期間・ローコストでAIエージェントを構築したい
Cogniflow
最後に紹介するのは、豊富な事前構築済みのAIモデルからノーコードでAIエージェントの構築を行うことができるCogniflowです。
画像・音声・動画など幅広いデータ形式を柔軟に扱うことができることが特徴的で、今後日本でも現場・フィールドワークでの活用が見込まれます。

Cogniflowが向いている業務
Cogniflowは、画像・音声・動画など幅広いデータ形式から情報を分類・分析することを得意とします。
- 事務:例.写真から署名が確認しているかをチェックする
- 人事:例.履歴書から学歴や経験など特定の部分を抽出する
- フィールド:設置物が正しい状態で設置されているかの監視・対応
Cogniflowの特徴
構築済みモデルをノーコードで統合し、迅速に展開することが可能です。
- 画像・音声・動画など幅広いデータ形式から情報を分類・分析
- 複数の訓練AIモデルを活用して開発時間を短縮
- APIとノーコードで柔軟で迅速な統合を実現
Cogniflowが向いているケース
以下のようなケースではCogniflowがおすすめです。
- フィールドワークをAIエージェントで効率化したい
- 画像や動画などのデータを処理する業務全体を効率化したい
- 工数を抑えて迅速にAIエージェントを活用したい
より詳細なAIエージェントの活用事例については以下の記事でまとめていますのでご覧ください。
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まとめ:おすすめの業務用AIエージェント
本記事では、業務の効率化や自動化を支援するおすすめの業務用AIエージェントプラットフォームを6つご紹介しました。各プラットフォームは、ノーコード/ローコード対応や豊富なテンプレートなど、それぞれに特化した強みを持ち、幅広い業務ニーズに対応します。
初めてAIエージェントを導入する方から、効率的に業務プロセスを改善したい企業まで、自社に最適なツールを選ぶ参考にしてください。
AIエージェントの活用は爆発的な生産性向上の可能性を秘めています。2025年に向けて各社の活用が進む事が予想されていますので、導入を検討されている方はまずは専門ベンダーの無料診断サービスや無料相談を活用してみることもおすすめです。

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